as ofの意味とその使い方

ビジネスの場面でよく使われるas ofですが、文脈と文法上の使い方によってon(あるいは、at)とsince、そしてfromの意味になります。そのため、使い方を誤ると意味が曖昧になり読み手に誤解を与える可能性があるので注意が必要です。

as ofの基本ルール

as ofの解釈は次のステップで行います。

  1. as ofが使われている文や節で完了形が使われていればsinceで解釈
  2. as ofが使われている文や節の動詞が状態を示すのであれば、fromで解釈
  3. それ以外の場合、onatとして解釈

以下の例を見てみましょう。

The new law enters into force as of August 1. (= on)
新法は8月1日に施行されます。
As of June 2018, 80 companies have agreed with us and participated in this survey. (= since)
2018年6月以降、80社が同意し、本調査に参加しています。
We plan to update our terms of services on our website, and the revised terms will be effective as of May 10. (= from)
当社のウェブサイトで利用規約を更新する予定であり、改訂された規約は5月10日から有効になります。

as ofの意味を判別する上でまずはas ofが使われている文や節で現在完了か過去完了が使われているかどうかを見ます。大体の場合、完了形の場合であればas ofsinceの意味で使われていると見て問題ないです。

それ以外の時制の場合は使われている単語の意味で見るしかありません。たとえば、上の例文のenter into forceは「効力が発揮される」という意味ですが、この意味に「〜から」などの範囲を示すfromで解釈すると少し違和感があります。なので、enter into forceが使われている例文でのas ofonを意味するのだと判断できます。

一方、will be effectiveが使われている節では、「有効になる」状態は「5月10日」だけではなくそれ以降も続くはずなので、ここでas ofonと解釈するとやはり奇妙な感じがします。そのため、ここではas offromとして解釈できます。

as ofの曖昧さ

このように、as ofは扱いが難しいのでライティングでas ofを使いたくなったときは注意したほうがいいです。たとえば、以下のような曖昧さを感じさせる例を見ています。

Our company produced 30 million face masks as of April 8, 2020.
2020年4月8日に、当社は3,000万枚のマスクを生産した。

この例の場合、完了形が使われていないので、おそらくonfromの意味として扱うのが文法上妥当なのですが、fromとして扱おうとするとpurchaseという動詞によって範囲で解釈するのに違和感があります。かといって、onとして扱った場合、生産工場の能力がどれだけなのかわかりませんが、2020年4月8日の一日で3,000万枚のマスクを生産したことになり、個人的には信じがたいです。また、2020年4月8日以降3,000万枚を生産したのであれば完了形にしてほしいですし、2020年4月8日時点ですでに3,000万枚生産していたのであれば、過去完了などで他の文や節と一緒に表現してほしいです。

まとめ

as ofsinceon(あるいは、at)、そしてfromで解釈できます。もし、文書を読んでいるときにas ofに出くわしたら、上に書いた解釈のルールを思い出して書き手の意図を正確に汲み取れるようにしておきましょう。一方、文書を書くときには誤解を与えないよう注意しましょう。as of自体の使用を避けることも視野に入れておきましょう。